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横浜市青葉区のクリニック。漢方クリニック市ヶ尾です。

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漢方についてkanpo

漢方とは

現在 処方されています漢方の薬は長い年月をかけて効能が確かめられたものです。
すぐに効果を出す、というよりも、身体全体の改善を伴いながら症状を緩和していきますので、身体に無理なく服用することができます。

日常の診療では、このような漢方に対する患者様の期待をいつも深く感じていますが、逆に、「漢方の薬ってどのようなものですか?」と聞かれることもあります。

漢方薬には、エキス剤と生薬(煎じ薬)がありますが、私が多く用いるのに、生薬の拘杞(クコ)の実があります。
中国に古代から伝わるお話しとともにご紹介しますので、漢方薬のイメージをつかんでいただければ幸いです。

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拘杞は、小形の落葉低木で、北海道を除く日本全国各地に自生または栽培しています。
拘杞の薬効は、古くから知られています。中国の古典著作「淮南枕中記」には、拘杞に関する面白い伝説が記されています。

昔、ある役人が歩いていると、十五、十六の少女が九十歳くらいのおばあさんを殴っている所に通りかかりました。
役人はすぐさま止めに入り、「なぜ年寄りをいじめるのか」と少女を厳しく問いただしました。
すると少女は「これは私の曾孫ですよ。良薬があるのにどうしても飲まない。そのせいでこんなに年をとって弱くなり歩けないから罰しています。」と言います。
「あなたは一体おいくつですか?」役人がびっくりして聞くと、少女はこう答えました。
「実はもう三七二歳です。飲む薬はただ一つ。その名前は五つあり、春に天精、夏に拘杞、秋に地骨、冬に仙人杖、或いは西王母杖。二百日続ければ肌はツヤが出てすべすべに、三百日で馬に負けないくらい走れるように若返り、飲み続ければ長寿になるのです。」

この妙薬は、現在では漢方薬の拘杞(クコ)であるといわれています。
これは伝説ですので、実際には三百年は生きられないでしょうが、拘杞には確かに優れた薬効があり、中国では古来から長寿の薬として使われてきました。
一般に実、葉、根皮を薬用に使用し、それぞれ拘杞子、拘杞葉、地骨皮と漢方薬名があります。
服用方法は煎じてお茶の代わりに飲んだり、拘杞子を酒に漬けて薬酒にしたりします。
拘杞の実と根は、厚労省が定める医薬品の規格基準書「日本薬局方」と中国の「薬典」に、葉が「日本薬局方外生薬規格」に掲載されています。
一つの植物から三つの生薬が採れるのは、拘杞以外にはありません。
近年、医学の研究で、拘杞の実には、抗疲労抗老化作用、免疫賦活作用、肝細胞保護作用、抗脂肪肝作用、血中脂肪降下作用、血糖降下作用、血圧降下作用などの効能が判明しました。
拘杞の実は食用でもあり、あざやかな朱色で杏仁豆腐の上に乗っていることで、よく知られています。
昭和40年頃に日本で拘杞ブームが起きたことがあります。
苦味がなくわずかに甘い味がする拘杞の実は薬性がおだやかで、長期間飲んでも副作用の心配がありません。速効を求めず、長く服用すれば必ず効果が現れる薬です。


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